今月、私の両親は、結婚40周年を迎えた。
うちの母は、毎朝キャベツの千切りを作り続けて40年。 父は、このキャベツの千切りを食べないと、一日が始まらないのだ。 毎朝、水が冷たい冬のあいだも、毎日毎日キャベツの千切りサラダを作る母。 時にはレタスの千切りや、にんじんの千切り、大根の千切り、 青じそや貝割れを混ぜてみたりもするが、 それはいつもキャベツが主役の千切りサラダなのだ。 たくさん作って作りおき、なんてことは絶対にしない。 毎朝、新鮮なサラダを作るのだ。 そんな母は、私が小学校の頃から働きだし、責任のある職にキャリアアップし続け、 今月をもって定年退職をする。 私が思春期の頃から母は、朝の7時過ぎには家を出て、夜は早くて7時半、遅いときは接待や付き合いをして帰ってくるので午前様なんてしょっちゅうだった。しかも、仕事を家に持って帰り、夕食後に母は書斎にこもり、夜中まで書類や公演の原稿を作っていた。それでも我が家では、出前をとったり、冷凍食品を食べたことがほとんどない。私と姉が大学を卒業するまで、カップラーメンさえ、うちの中ではほとんど見たことがなかった。いつも母の手作りの食事だった。インスタントの食材さえ使ったことはほとんどない。煮物やお吸い物の出汁も、ちゃんとカツオや昆布からとる。煮物に入っている人参は花形に切ってあり、おでんの大根もちゃんといつも面取りされていた。椎茸も亀甲に飾り包丁が入っていて、コンニャクも手綱に結んであった。 あの忙しい母に、どこにそんな時間があったのだろう?時間のあるときにまとめて煮物やおかずを作ったり下準備をしていたなぁ。お菓子も手作りだったなぁ・・・朝は誰よりも早起きで、サラダを作るだけではなく、朝食を作っている(卵を焼いている)あいだにラジオ体操も欠かさずしていた母。 母に比べたら、子供がいないぶん、それほど忙しいわけではない私。 それなのに、もうギブアップで今夜も冷凍のピザ。昨日は外食だった。 うちの相方の朝はフルーツで始まる。それも、ジュースじゃなくて、食べるフルーツ。 季節の果物を、食感や甘み、匂い、すべてを楽しみたいからわざわざ食べるのだ。しかも、最低でも2種類は毎朝食べたいなぁ、と、おっしゃる。 ここはアメリカなのだから、テーブルにりんごやオレンジを籠にでも入れてそのまま出して、「お好きにどうぞ」ってすればいいのに、といつも思うのに、できない自分に笑ってしまう。朝、ウトウトしながらフルーツをお皿に盛り付ける。どこからか母の言う「見た目も味のうちやで。赤、青、黄色を彩りよく、中高(なかだか)に盛って、海のものと山のものをバランスよく・・・・」が聞こえてきそうで(笑)。母がここに住んでいるわけじゃないのに、食べることに手を抜くのはバレなくても罪悪感なのだ。 40年後の私もまだ、「今日のフルーツは何と何にしようなか?」なんて考えながら、 朝から冷蔵庫に頭を突っ込んでいるのだろうか。。。 「どうせこれから焼いて食べてしまうのに、どうして10個ずつきちんと列に並べなきゃいけないの?」 ボーっと無心に餃子を作っていたら、ふと気がついた。 私も同じことをしているのだ。 横で相方が「何でそんなに几帳面に並べなきゃいけないの?」って笑っている。
by ezoist
| 2006-03-28 20:43
| 人
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